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STORY 01

-フライトナースのミッション-
救命救急センター 看護師 堀江健太

消防からのホットラインが入った。

「車同士の正面衝突事故。複数傷病者あり、1名は心肺停止状態 、赤1名、その他不明・・・。」 多数傷病者の可能性がある!! 呼吸管理や輸液の資器材を多めに。トリアージタグの準備。 フライトドクター2名体制でドクターヘリに搭乗した。
現場に向かうドクターヘリの中 医師と予測される病態、考えられる治療について検討していく。 心肺停止の傷病者がいる! 気管内挿管、静脈路確保、薬剤、除細動など資機材の準備。消防と無線で交信。患者の新しい情報が欲しい。・・・交信が途絶えてしまう。

現場は混乱している。 高エネルギー事故。CSCATTTを意識して活動する。
* C(指揮・連携)S(安全)C(情報伝達)A(評価)T(トリアージ)T(治療)T(輸送)
傷病者がどんどん運ばれてくる。 今すぐ生命に関わる状態ではないかTAFXXXに注意。トリアージ実施。
* T(タンポナーデ)A(気道閉塞)F(フレイルチェスト)X(開放性気胸)X(緊張性気胸)X(血胸)
優先度の高い患者から状態を安定させてドクターヘリへ。 一組は家族。子供が腹部打撲。腹腔内出血、臓器損傷の疑いあり。 母親も受傷。家族の名前を呼び続ける。「これからどこに行くの?」 動揺しているのは明らかだ。父親が付き添い二人をヘリ搬送。 状態の悪化に注意しながら母親の不安と恐怖に寄り添う。 ヘリが飛び立った。伊勢赤十字病院に向かって

病院ヘリポートに到着。 待ち構えていた病院スタッフと共にいち早く救急外来に搬送。 救急外来には、患者を救うため多職種の医療スタッフが集まっている。 継続して円滑に治療がおこなわれるよう、救急外来看護師に状況、処置等的確に引き継ぐ。 フライトナースに求められる資質。 どのような現状であっても冷静な判断・行動、そのための正しい知識と技術。 正確な処置と迅速なアセスメント能力。
多職種、他機関とのコミュニケーション能力。 短時間での情報収集・選択・共有。常に先を見越した迅速な準備。 そして命の危機に瀕した傷病者やその家族が抱く恐怖や不安を少しでも軽減できる能力 私たちは苦しんでいる人を救いたい。いかなる状況下であっても、人の「いのち」と「こころ」を守る。・・・そのために日々活動している。

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